輸入元について

輸入元であるSri Trang社はタイのゴム手袋製造最大手で、現在世界ではマレーシアのトップグローブ、コサングローブに続く3位の会社で、他にはない特徴があります。

環境に優しいバイオマス燃料を使用

工場はエネルギー100%バイオマス燃料に依存しています。

またこの木材はグローブの原料である天然ゴムの木を利用しており伐採後は天然ゴムの幼木を植林するためカーボンフットプリントである二酸化炭素排出抑制します。

分散製造で安定供給を実現

工場をタイ国内4カ所に分散して製造しています。

現在7つの工場を8つ増やして全部で15の工場に拡大する予定です。
グローブが安定的に供給できる体制を構築しております。

天然素材を使用、温暖化抑制

未来の資源を無駄にせず温暖化を抑制して世界の環境を守っていくため、石油などから作られる合成ゴム製ニトリルグローブを生産使用を促進するのではなく、天然素材由来の天然ゴム製ラテックスグローブの使用も促していきます。そしてラテックスアレルギーが発生しないグローブの研究研鑽を継続し、画期的なグローブを開発されました。 主要な4つのアレルゲンが検知不能まで抑え、タンパク質の残留も 3.5㎍/gまで低下させました。画期的なグローブです。

Clean World Clean Gloves (CWCG)のスローガンを掲げて世界でもこの会社だけの取り組みを行っております。

グローブの説明

ラッテクスグローブの原料とアレルギー対策

現在広く用いられている使い捨てのグローブとしては、まず一番にラテックスグローブが挙げられます。パウダー有りとパウダー無しに分けられますが、なぜパウダー無しの方が値段が高いのか疑問に
持った方もいられるのではないでしょうか?
また、問題になっているラテックスアレルギーは、なぜ起きるのでしょうか?

これらの問題を解決する上で、ラテックスグローブの製造過程が非常に大事です。

ラテックスグローブは、熱帯に育つゴムの木から採取され、保存剤であるアンモニアやその他薬品が加えられ手の型(陶材製)をその液体に浸け、
型に付いた一層のラテックスが化学薬品 や熱の作用によって固めていきます。
出来上がったグローブは、非常にベタベタしているため、型から外す前にコーンスターチの粉が表面に付けられます。(実際にはコンスターチの混合液に浸し、
乾燥させます ) その後、型から外す際に、裏返しに外すためにグローブの内側が、コーンスターチの付いた面になります。
これでパウダー付きグローブは完成です。

しかし、パウダー無しは、この後更にパウダーを取り除く過程が必要になります。
よく行われるのが希塩酸と水で洗い流し乾燥させ完成させます。色がパウダー付きよりも黄色く見え、質感が硬く感じられるのは塩酸の作用によるためです。
ここで、もう一つパウダー無しの特徴としては、アレルギーの原因であるタンパク質が高率に取り除かれているということです。
これはこのタンパク質は水溶性であるためです。通常、100 ㎍/g以下であれば、ラテックスアレルギーを低頻度に押さえることができると報告されています。
当社のラテックスグローブフィットシールドグリーンは 50 ㎍/g未満に抑えています。(海外工場内検査での実測値は30 ㎍/g以下の数値がでています)
またグローブ内面はポリマーコート処理しており、ポリマーの層によって、なるべく直接術者の手指と触れないように配慮されています。

ラテックスアレルギーの中でも皮膚炎を主症状にするものは、実際にはグローブ中に含まれるタンパク質によって起きるものよりも、ボンディング材、消毒薬などの歯科材料に含まれている化学物質によるものや不十分な手洗いによるものによって起きることも多いと報告されています。
これら原因になる化学物質は、タンパク質が全く含まれていない合成ゴム製グローブ( NITRIL, NEOPRENE )にも含まれております。
ラテックスグローブは、木から採れる材料から作られるので石油のように枯渇する心配もなく、土中では自然分解することが可能で自然に優しく、使い捨てに
するのに価格も比較的手頃であると考えられます。また非常に進展性が有るのでグローブの脱着が容易で、装着時の感覚も素手に近いと思います。
その反面、ラテックスアレルギーの問題が有るのも事実です。
特にⅠ型即時型アレルギーであるアナフィラキシーショックは非常に希でありますが避けなければなりません。
防ぐ方法は、問診によりラテックスアレルギーが疑わしい医療スタッフや患者をスクリーニングし、場合によりパッチテスト、スキンプリックテストを行うべきだと考えられます。

Sri Trang 社では、この環境に優しいラテックスグローブの問題点であるアレルギー原因物質であるタンパク質(主要な4つのアレルゲンは検知不能レベル)を 5 ㎍/g未満に抑えたグローブを開発しております。
今後、より感染予防を実践するためには、使い捨てのグローブは今後も重要な役割を演じると思います。
ラテックス製、合成ゴム製それぞれの長所、欠点を理解し使い分けていただきたいと思っています。

ラテックスグローブ(天然ゴム製)の製造過程

ファーマー洗浄

ファーマー(手の形をした陶器製の型)は、前の残余物が残らないように洗われます。
この過程は、ピンホールのような見えにくい欠損のあるグローブを作らないために非常に重要です。

凝固過程

この過程は、ゲーリング過程と呼ばれています。
ファーマーの上に天然ゴムのジェル状の液体を一層乗せ、ファーマーの形どおりに作るために、
凝固する化学物質を添加します。
凝固剤の調合は、お客さんの要望に答えられるグローブを作るために研究所の助手によって、注意深く行われています。

乾燥過程

ファーマーは、それから均一に厚さに凝固するように乾燥用のオーブンに移動されます。
ファーマーは、360度回転しながら乾燥されています。

ゴムの乳液浸漬過程

ラテックス(天然ゴム乳液)は、グローブを作るための主な材料です。
この過程は、製造されるグローブが最終的にファーマーの表面で一層のフィルムを形成させるためです。

乾燥過程

乾燥オーブンは、ラテックスのフィルム状の膜を乾燥させます。

前不純物除去過程

余分な化学物質や不純物そしてラテックスからのたんぱく質を取り除くために3つの水槽があります。

ビード(グローブの手の入れる口のところを丸くする)オーブン

グローブの手を入れる口のところをロール上にするためのオーブンに移動します。
そして、その袖口をロール上に巻くことによりビードを作り上げています。

硬化

グローブを最終生産品となるように硬化そして保存処置を行うため、メインオーブンがあります。
硬化過程には、3つのレベルがあります。
メインオーブンにおいてグローブは、使用可能な最終的な製品となるため、全体的に保存処置が加えられています。

最終不純物除去過程

化学的残余物、たんぱく質を取り除くため洗います。
ここで塩素水で洗浄することで、極力ラテックスに含まれるタンパク質を除去します。
この洗浄工程で、アレルギー反応を非常に低く抑えることができ、またグローブの装着しやすくなります。
ダブルの塩素処理とはグローブの内外の両面を塩素処理したものです。
塩素処理の欠点は黄色に変色する、弾力がなくなり堅くなる、表面が滑りやすくなります。

ポリマーコート加工過程 もしくは、パウダー塗布

ポリマーは、パウダーフリーにするための化学的混合物です。
ポリマー加工は、グローブが装着しやすくするためにグローブ内面にコートされます。
パウダーも同様のため行われます。
当社のフィットシールドグリーンはグローブ内面をポリマーコート処理、外側は塩素処理されています。

ストリッピング(ファーマーからグローブを外す)前過程

それから、グローブは、余分な水分を吹き飛ばすため、オーブンで乾燥される。

ストリッピング過程

グローブは、ファーマーから裏返しに外され、それは、ファーマー側が表になっていることを意味する。天然ゴム製は、柔軟性があるため機械で取り外すことができるが、ナイトリル(合成ゴム)は、人の手によってファーマーから外さなければならない。

塩素処理

塩素処理は、パウダーフリーにするための処置です。
塩素処理は、たんぱく質を減少させ、手の挿入が容易にするため塩酸でラテックスグローブを洗います。

中和過程

中和剤は、酸性度を弱めるためグローブ表面の塩素を中和する。

最終洗浄過程

グローブは、塩素の中和が維持されるため、2つの最終洗浄槽で洗う。

ニトリルグローブについて

ニトリルグローブは、合成ゴムを主原料にしております。
ラテックスグローブに比べ、耐油性・耐薬品性に優れており医療用グローブとしては一番使用されてきております。
柔軟性や伸びやすさではラテックスグローブよりも劣りますが、通常の医療業務には支障がないかと思います。
新型コロナウィルス感染対策で急激なに需要が増して、一時的に価格の高騰や品薄になったことがありましたが、現在はSri Trang社が工場数を拡大したため、
生産量も増えておりますので、欠品の問題はないかと思われますが、その反面、品質の劣るグローブも最近多くなってきております。
当社のグローブはタイでは生産量として最大企業であるSriTrang 社製のグローブです。
主成分が天然ゴムのラテックスグローブとは違い、ラテックスのタンパク質が原因のアレルギーはありません。
しかし、合成ゴムを硬化する際に使用されている、化学物質による皮膚炎などが生じる可能性があります。
グローブ装着前後の手指の手洗い、そして手をしっかりと乾燥させることが大事です。
また、当社のニトリルグローブは着脱が容易になるように塩素処理を行っております。
装着後の消毒に関しましてはエタノールなどのアルコールは推奨しておりません。弱い塩素系に関しては可能性があるようです。

※詳しくは以下の資料を参考にしてください。
https://www.journalofhospitalinfection.com/article/S0195-6701(20)30430-8/fulltext https://ehrs.upenn.edu/health-safety/lab-safety/chemical-hygiene-plan/fact-sheets/fact-sheet-disposable-nitrile-gloves